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諸事情があって、田んぼを手放すことになりました。
幸い今年いっぱいは、主人自作のお米を食べられますが、 来年からはお米を買うんだなあ、と思うと、今さらながら 主人が夏場、仕事の合間や出勤前に汗水たらして手間隙かけて 作ってくれていたことに感謝しました。 最近は「いただきます」にも重みを感じながら発しています。 そんなことで、お米の詩ができました。 米賛歌 きょうもお米をたべましょね 米なら納屋に たんとある 腹の虫かて昼までねむる さあさ お米をたべましょね 米はお金もかからんで たんと おかわりしたらええ 「いただきます」してたべましょね 父ちゃん作ったこのお米 どうや もちっとうまいやろ ふりかけ漬け物おみそ汁 塩こぶ味のり生たまご みんなお米のお連れやね きょうもお米をたべましょね 文句言うたら老年の 梅ぼし口につっこむで
息子が野球で腰椎をねんざし、かくいう私も、腕を故障し、
春のはじまりはさんざんな調子でした。 幸い、頭はケガも忙しくもなく、思いつきではじめてしまった ねこの話も完成しました。 どなたか絵の描ける人、絵本にしてもらえないかなあ。 絵本にくわしい人、批評してもらえるとうれしいです。 ねこが歌った日 つづき お日様が空を朝色にぬりかえはじめたころ、 ねこは目を覚ましました。 はらぺこだったねこは勝手口に向かいました。 そこにおばあさんが干し魚をつるしていたからです。 ねこはひょいと飛び、器用に干し魚をヒモからちぎると、 いつもの調子でストーブの前までいきました。 けれどもストーブはおばあさんと同じで、静かに冷たく、 ねこは寒さをがまんしながら干し魚を食べました。 干し魚は、最後の一つでした。庭には畑がありますが、 ねこが食べたいと思うものはありません。 ねこは思いました。この家を出なくてはならない、と。 おばあさんに「さよなら」を伝えたら出ていこう、と。 そのころ村は、昨晩ぐっすり眠れた人たちが お日様以上に晴れやかな気分で朝をむかえていました。 昨晩きいた、あのやさしい歌声。いったい、だれ? みんな、ふしぎに思っていました。 そのとき、まさしくあの歌声が聞こえてきたではありませんか。 家の中にいた人は外へかけ出し、外を歩いていた人は足を止めました。 川べりの教会から聞こえるという人もあれば、 山の谷間から聞こえるという人もあり、見当がつきません。 そのうち村人の中から、「修理屋」の名前が上がりました。 「修理屋」は、ピアノの調律師で、たいそう耳が利くという話でした。 「修理屋」を呼び出し、歌声を聞いてもらうと、 歌は北のはずれにある丘の方から、とわかりました。 丘には一人暮らしのばあさんが住んでいる、 歌手でも呼んで楽しんでいるのかもしれない、とだれかが言いました。 好奇心いっぱいの人たちは、丘へ向かいました。 おばあさんの家へ続く坂道まで来ると、あの歌声を聞きとることができました。 ぼうやを亡くしたおかみさんが、おばあさんの家のドアをたたきました。 ねこは、歌うのをやめました。おおぜいの人間のにおいにおびえたからです。 たしかに歌声を聞いたのに、おばあさんの家からだれも出てこなかったので、 様子がおかしいと思った青年がドアをおすと、ドアはすっと開きました。 青年はおばあさんを呼びましたが、返事がありません。 青年はおばあさんをさがして、2階に上がりました。 ねこはとっさに、おばあさんのベッドの下にかくれました。 やがて青年がおばあさんの部屋に入ってきました。 青年は眠っているおばあさんに顔を寄せて、ハッとしました。 あわててみんなを呼び、それからはバタバタと大忙し。 あれよという間に、おばあさんはどこかへ連れて行かれました。 ねこはようやく、ベッドの下から出ることができました。 おばあさんは村人たちによってとむらわれ、 村のご先祖たちがいる場所で、永い眠りにつきました。 あの歌声の主はわからないままでしたが、 しばらく気にしていた人も、そのうち忘れてしまいました。 ねこはどうしたか、ですか? おばあさんの家を出たねこは、 となりの村で、のらねこになりました。 やがて、仲間ができ、恋人ができ、 家族ができ、子も生まれました。 のらねこを始めたころはまだ、おばあさんの歌をおぼえていましたが、 他のねこたちと暮らしているうちに、すっかりわすれてしまいました。 今では自分が歌を歌えたことさえわすれて、 ねこは元気にやっています。 <おわり> つぎは詩を再開します。
東日本大震災の救援物資として、仕事場から砂糖18kgを送りました。箱はそれはそれは重かったけど、被災者の方の現実の重みに比べたら・・・。
義援金はライオンズクラブへ2990円と、学校へ810円。 2990円はこの春買おうと思ってやめたズボン代。 810円は洗濯機を故障させた、槽から出てきたお金(こんなにつまらせてた)。 ランドセルの回収の呼びかけも始めました。 そして休学中だった文学学校の復帰もあきらめました。 私なんかのあきらめられる夢ならあきらめてしまえばいいのだけど、 被災児童のうばわれた夢の種はもういちどその手にのせてあげたい。 今の本音です。 詩は時勢に影響されてまだうまく書けないので、 物語のつづきを。 歌声は、まず、ぼうやを亡くしたおかみさんにとどきました。 おかみさんは美しい音色に聞きほれ、すっと眠ってしまいました。 つぎにとどいたのは、無一文になった商人のところでした。 橋の下でふるえていた商人は寒さも忘れ、やはり眠ってしまいました。 恋人にすてられた女も。 友だちを殴ってしまった男も。 病をわずらった娘も。 受験に失敗した青年も。 ねこの歌は、さいみん術のように 寝つきのわるかった村人たちを次々と眠らせていきました。 やがて、歌い疲れたねこも、大きなあくびをして いつもの毛布にくるまって眠りました。 (つづく)
少し前までは、正しいと思うことを言い返す性格だったのだけど、
それも時と場合と相手によって、引っ込めることもありなんだよなあ、と 考えるようになりました。特に目上の人が言いたいことがあるときは ちがうよなという箇所をつっこまず、うなづきどころを探る。 会話は勝った負けたでなく、つなぐ・つむぐところから。 決別してもいいと割り切ったときは別ですが。 今日はお話「ねこが歌った日」のつづきです ねこは窓辺に立ち、夜空にむかって 大好きだったおばあさんの歌を歌いはじめました。 ねこの歌声は透明のコットンのように ふわりふわりと窓の外へ流れていきました。 さいしょに聞いたのが、そそっかしい北風。 「女神さまがお歌いだよ。みなにおしえてあげよう」 北風がせっかちに走りまわったので、 歌声はすぐに村じゅうにひびきわたりました。 なんにも知らないねこは、歌いつづけました。 村人にふしぎなことが起きていたというのに。 (つづく)
寒い日がつづきます。こんな季節はお風呂が一番たのしい。
娘とお風呂で一行ずつお話を作ってリレーをしながら、 のんびり浸かるのが最近いちばんのリラックス法。 で、今回は物語に挑戦。途中までですが。 ねこが歌った日 村のはずれの小高い丘の家 おばあさんとねこが暮らしていました。 おばあさんは歌が大好きで 朝はフフフ、昼はラララ、夜はルルル ねこはおばあさんの歌声が大好きで いつもそばでじっと聴いていました。 そんな毎日が、時計の針がくるくる回った分だけ過ぎてゆき おばあさんとねこは年をとっていきました。 やがておばあさんはベッドにいることが多くなりました。 大好きだった歌もときどきしか歌わなくなりました。 ねこはベッドの上でおばあさんに背中をなでられながら か細くなったおばあさんの歌声をじっと聴いていました。 そして今年最初の雪が降った夜 おばあさんは永い眠りにつきました。 おばあさんはもう歌わない、それはねこにもわかりました。 ただ、この後どうしたらいいのかまではわかりませんでした。 ねこにできること、それは歌を歌うことでした。 いつのまにかおばあさんの歌を、すべておぼえていましたから。 <つづきは後日>
肺炎になって以降、体調も心の具合もなんだか乱れて、だらけて・・・
ずいぶんひとやすみしてしまいました。 でも、このブログ、まだ生きています! のぞいてくださったあなたへ、来年もどうぞよろしく。 生きている証に今年最後の書き込みを。ちょっと。 弱すぎる言葉へ だれかが気づいてくれないと 言葉は孤独だ だれかの心にたどり着けない のろまの言葉は 調子のいい歌に追い越されてしまう レトリックだけの言葉は ドラマの台詞より嘘っぽく だれも泣いてはくれないだろう 言葉よ 武器を持て 弱いだれかを 悲しいだれかを 苦しむだれかを 救うためにもっと強く強く そして本気で叫ぼう 言葉はあなたを愛しているのだと 良いお年を!
時間は過ぎていくものだけど、なんとなくとはちょっとちがって、つらく楽しく過ぎて行った気がします。時間に流されていたのでなく、時間を夢中で泳いでいました。
夢中だったので止まれなかったのかもしれません。 それで、詩を書かず2ヶ月も経っていたとは・・・ ちょっとした浦島太郎さん状態です。 世間に戻ったら、毎日なんと暑いことか! でもなんとか詩ができました。(できるときはできるんですね~) いただきます 苦しくても 苦しくても 体が元気だと どこからだろう 力がわいてくる 少しずつ 少しずつ 積み重なった力が へたりこみそうになった 心を支えてくれる 昨朝も 今朝も 元気な体が まだ寝ぼけたままの 心を起こしてくれる いただきます いただきます 体の力をいただきます ※心の元気がたりないときは、体から借りればいい。そう思いませんか?
5月末に義父の7回忌が無事終わりました。
亡くなった時、小学校一年生だった長男が、今は中学一年生。 義父の時間は止まっても、わたしたちの時間はずいぶんと進んでいるもんだと、しみじみ感じました。 その義父と一番似ているのが末っ子で、法事に集まった親戚の間でも話題になっていました。 ですが、この末っ子は、教科書を音読するだけで寝てしまう。図書館で借りてきた本も、この末っ子だけは最後まで読めたことがない。朝でも昼でも、本を読ませると、グー・・・。 話すことも、いつまでたっても要領を得ません。だれが何したか、途中からちんぷんかんぷん。 かわいいんですが、本当におばかです。 象と象、蜂と蜂でも会話できるというのに、 私と末っ子、 通じる会話をいつになったらできるのか? そんなことを思っていたら、私の幼い記憶とからまって詩ができました。 手 むかし おばけ 出た むらさき色の池に 落ちた わたし 泳げんのに 泣いた だれか いた 手 のびた わたし つかんだ 「気をつけなあかんよ」 手 しゃべった 手 行ってしもた ありがとう わたし 言えんかった
こうなってほしいと期待するのは運も時間もかかりますが、
こうしようと思って動いて出ることには運も時間も不要です。 自分のペースで舵をとれることも、私なんかにはぴたっといい。 もちろん、責任をとるのも自分ですけど。 そんなことを思っていたら詩ができました。 モチベーションが下がってるな、という時に役に立てばいいかな。 いい日 掃除 洗濯 銀行 メール 読書 水やり 餌やり お買い物 これからあとは何をしようと ぼうぜんとする日 まさに今 何がしたい わからない 何かしたい うごけない こんな時間をすごすために 毎日忙しかったのだろうか 値打ちのない一日 さらに安い自分 外はからっとお天気なのに 気もちがぐずぐず時雨れてくる 花でも生ければ パンを焼いてみたら たまった写真を片付けなさいな 頭の中がごもっともなことを言うけれど 体に強要するだけのカリスマはない もうどうでもよくなってくる 寝ころんで目を閉じた 開けた窓から ピチピチ鳴く小鳥の声と 風のいい匂い 郵便配達のバイクが砂利を踏んでいる だれかが竹箒で地面を掻いている 今ここでしか聞けない音が じんわり満ちてくる 嘘みたいに 嘘っぽくない幸せが もこもこと膨らんでくる こんな時間をすごすために 毎日忙しかったのかな 十分で語れる一日 だけど十分に語れる自分 窓を開けておいてよかった どこにも行かなくてよかった どうでもよくなって よかった 今日はとってもいい日
最近にしては珍しく4月に2度目の更新です。
というのも、これまた珍しいのですが、 詩にしたいと思ったことが1冊の本を読んだ後にすらすら書けたんです。 『金子みすヾ こだまする家族愛』(詩と詩論研究会、編) 内にあった思いが、この本を蛇口として通り、表へ流れた、そんな感じです。 木守唄 花を咲かせた木を見つめ 花の散った木が 折れました。 だれもわたしを見てくれない、と 心が折れたのでした。 大きな図体をして うわん、 うわん、と 木は泣きました。 木よ、おぼえておいで。 季が廻れば おまえは必ずまた 花を咲かせるということを。 青く萌える葉を肥やし、 必要となればそれも捨て、 花はまた咲くのです。 木よ、もっとお泣きなさい。 だれも見ていないうちに。 なんなら抱いてあげましょう。 背中を とんとん、 とんとん、と。 何度もさすってあげましょう。 お頭を ねんころ、 ねんころ、と。 おやすみなさい。宵に夢を。 おやすみなさい。よい夢を。
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