草っぱらがみえた
ここらへんがいいな と 思って
草をがしがし踏みつけて 道をつくった
草が足をしゅっっしゅと こすり
くすぐったく かゆい
そうしてすすんだ 新しい道の先に
だあれもいない川がみえた
そこらへんに荷物をおいて
足をつっこむ
ぞぞぞと冷たい よろりとするほど流れが早い
私たちは 足をふんばって 川とあそんだ
川も本気であそんでくれた
さらさらと流れる清い水のように 夏の時間が流れていった
なつかしい楽しさ
私にプールへ行った思い出がないのは
この川があったからだろう
だあれもいない川で 昔から今へ 夏の時間が流れてゆく
だあれもいない川で 親から子へ 夏の時間が流れてゆく